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Q.岩盤浴で免疫力が上がるのですか?
五味クリニックの五味先生がカプセル式のプライベート岩盤浴を製造しているジェイメックという会社と免疫専門の小田クリニックの小田治範先生と協力して、岩盤浴が免疫系にどのような変化を及ぼすかの治験を行なったところ、免疫機能の指標となる「NK細胞の活性」が、岩盤浴後に驚くほど高まり、岩盤浴が「免疫力を高める」事実が判明したのです。
ここでNK細胞が活性化するとなぜ良いのかを説明いたします。一般に人間の体が免疫機能により「疫を免れる」ことができるのは、過去に経験して「非自己」と記憶をしていた外敵(ウイルスなど)だけなのです。
予防注射や病気感染のように、過去にいろいろな外敵(抗原)を経験(感染)することで身につく免疫系を「獲得免疫」と呼びます。獲得免疫を司るのは、リンパ球の中で、T細胞とかB細胞と呼ばれるものです。しかし、これらの細胞は、ガン細胞のように自分の細胞が異常化したものは、異物として認識できないので、免疫力を発揮しにくいのです。
ところが、リンパ球の中には、体の中を常に巡回して、異物がくれば、自己判断でどのようなものでも排除してしまう優れものの細胞があります。これをナチュラルキラー細胞、通称「NK細胞」と呼んでいます。NK細胞は、T細胞やB細胞のように教え込まれた特定の癌細胞のみを攻撃するというのではなく、いかなるガン細胞も単独で直接攻撃をしかける性質をもっているのです。
体の中にガンなどの異常が生じたとき、まず最初に反応するのがこのNK細胞なのです。人間の体では、健康な人でも1日3000~6000個くらいのガン細胞ができていると言われています。でも、たいてい発症しないですんでいるのは、このNK細胞がガン細胞を早期発見して、ガンの発病を防いでくれているからです。つまり、NK細胞こそ人間にそなわった「自然治癒力」の担い手と言えるのです。
このような意味で、NK細胞が働く免疫系を「自然免疫」と呼ぶのです。ですから、病気を予防する力つまり「免疫力」は、主にこのNK細胞に依存していることになります。免疫力を高めるには、このNK細胞に十分働いてもらえばよいのです。
ところが、このNK細胞が殺傷力をもつためには、パーファリンという「実弾」が必要です。ただNK細胞が多ければよいというものではないのです。いくら鉄砲があっても弾がなければ、ただの鉄の塊です。
NK細胞が免疫力を発揮するのは、このパーファリンを細胞の中に顆粒として蓄えることが必要なのです。パーファリン顆粒をNK細胞の中に蓄えて臨戦状態になることを「活性化する」と言います。つまり、NK細胞がどれだけ活性化されているかが、免疫力が高いか低いかの決め手となるのです。
実は、NK細胞自体はリンパ球に占める割合が年齢とともに増化しています。その一方で「活性化率」の方は年齢とともに次第に減少して、二十歳くらで平均45%もあった活性化率は、60歳くらになると20%程度にまで低下してしまいます。だから60歳以上になると発癌率が高まるのです。
つまり、NK細胞の活性化の度合いが、自然治癒力の最も信頼できる指標となるのです。この「活性化率」が、岩盤浴後に驚くほど高まったのです。先に挙げた治験では、例えば Aさんは、「43%→72%」に、Bさんは、「55%→78%」に、Cさんは、「39%→57%」に、さらに、高齢のDさんは、たった23%だったのが20歳の人の平均を上回る52%にまでそれぞれ上昇したのです。さらに、1回の岩盤浴の効果が、10日後の測定でも、AさんとCさんでは、岩盤浴前より高い数値が持続したのです。
しかし、岩盤浴のどのような効果が、このようにNK細胞の活性化を起こしたのかは、はっきりとはしていません。遠赤外線の温熱作用がもっとも大きな要因と思われますが、私は、やはり「遠赤外線とマイナスイオンとの相乗作用」ではないかと考えています。
「遠赤外線のみ」の免疫系に及ぼす影響については既に聖マリアンヌ医科大学の倉持先生がマウスを使用した治験で、T細胞やヘルパーT細胞の増加を確認しています。しかし自然免疫の担い手である、NK細胞の活性化が「岩盤浴」で高まることを認めたのは今回がはじめてでしょう。